大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第一小法廷 昭和31年(あ)4171号 判決

主文

本件上告を棄却する。

理由

弁護人林達也の上告趣意は、量刑不当の主張であって、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

弁護人国府敏男の上告趣意第一点は違憲をいうが、憲法三七条二項は、裁判所が被告人又は弁護人から申請した証人は不必要と思われる者まで悉く訊問しなければならないという趣旨でないことは、当裁判所大法廷の判例とするところであるから(判例集二巻九号一〇四五頁以下参照)所論は採るを得ない。同第二点は、判例違反をいうが、所論前段引用の判例は本件に適切でなく、また、原判決の判断は所論後段引用の判例に合致し採るを得ない。同第三点は、単なる訴訟法違反(なおこの点に関する原判決の判示は正当である。)、量刑不当の主張であって、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

よって同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 斎藤悠輔 裁判官 真野毅 裁判官 入江俊郎 裁判官 下飯坂潤夫)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例